HB9CVの3エレ化〜検討・設計編
HB9CVの3エレ化ができましたぁ〜,では話にならないので検討と製作の話を少々….
今回3エレ化したアンテナは,3年前に製作した2エレHB9CVがベースになっている.このアンテナは電波新聞社のアンテナクラフトマニュアル2に掲載されていたもので,よくあるガンマッチを採用したタイプと異なり,言ってみれば二つのダイポールアンテナに位相給電するタイプのアンテナだ.ガンママッチと違って部品点数が少なく,現地での組立が簡単になるので作ってみたものだ.2エレのアンテナをMMANAでシミュレートした結果は下図.リアルグラウンドで通常使用している5mのケーブルキャッチャーで上げた場合を想定すると,ゲインは9.72dBi,FB比は9.09dBというものだった.
この2エレのアンテナに,ディレクタを1本加えて3エレ化し,今少しのゲインを加えようと言うのが今回の目論見だ.基本コンセプトは,
(1)2エレHB9CVのエレメントは無改造で使用し,パーツ交換でこれまでの2エレとして使用できるようにする.←風が比較的強いときでも運用可能なように配慮
(2)ゲインを追求するよりも,可能な限りブロードなマッチング特性をえたい.←コンテスト時を考えると50.150MHz〜51MHzまでの間でできるだけ安定した特性をえたい.
(3)軽量化←自転車や徒歩で移動する場合は荷物は軽い方がいい.設営時・運用時の安全性を考えると構造重量は軽い方が扱いやすく,安全.
という部分に留意した.設計にはMMANAを用いてディレクタの長さ,各エレメントの間隔,位相コイルのインダクタンスを求めた.ゲイン,FB比,ビームパターンと周波数特性を計算した結果が下図.ゲインは11.21dBiとさほど高くはない.コメットの3エレの広告では18dBi(!)と謳っているが,これと比べてかなり低い.しかしながら,周波数特性ではかなり広い帯域でSWR=1.5以下が得られているのでかなり良好な結果になっている.これで,(1),(2)の目標は満たしている.
シミュレーションの結果を受けて,全体の寸法と構造は下の図のようなものとした.
by buchi1201 | 2008-07-29 22:57 | 無線